地方物産のECサイト で「売る」より前にやるべきこと

── 地方ウェブマーケティング支援で、私が一番大切にしている視点
地方の事業者さんとご一緒してウェブマーケティング支援をしていると、ほぼ必ず聞くことがあります。
「何から始めたらいいかわからない。」
「予算がないから、SEOやSNSを強化したい。」
気持ちはよくわかります。
でも、私の中ではかなりはっきりしています。
“売るための施策”に入る前に、やるべきことがある。
それを飛ばすと、どんな施策も短命に終わる可能性が高い。
今日は、
- 地方EC支援
- チーム伴走支援
- 私自身の考え方・スタンス
- 国内外の市場を見て感じていること
この4つを一本の線でつなぎながら、少し深めに書いてみます。

地方ECは「集客」よりも前段階で詰まっている
地方のEC支援というと、
「集客が弱い」
「認知がない」
と思われがちですが、実際に現場に入ると、詰まりどころはそこではないことが多いです。
よくある状態は、こんな感じです。
- 商品はいい
- 生産背景も語れる
- リピーターも少しはいる
- でも売上が伸びない
- 担当者は忙しく、改善が止まっている
ここで広告を強めたり、SNS投稿を増やしたりしても、
ボトルネックが別の場所にある限り、成果は頭打ちになります。
私が最初に見るのは、
「このECは、売れる準備ができているか?」
という一点です。
「売れるEC」の前提条件は、意外と地味
売れているECを見ると、派手な施策よりも、地味な土台が整っています。
例えば、
- 誰に向けた商品かが明確
- 値段の理由が説明できる
- 同じ説明が、商品ページ・SNS・メルマガでブレていない
- 担当者が「なぜ売りたいか」を言語化できている
これ、当たり前に聞こえるかもしれません。
でも、実際にはできていないケースがとても多い。
特に地方事業者さんは、
「良いものを作っている」ことが当たり前すぎて、言葉にできていない。
マーケティングは、魔法ではありません。
「価値を、届く形に翻訳する作業」です。
チーム伴走支援で一番やっていること
私は「チーム伴走支援」という言葉をよく使います。
これは、施策を丸投げで受けるというより、一緒に考え、一緒に整えるスタンスです。
実際の支援で、私が一番時間を使っているのは、
- 会話
- 整理
- 言語化
正直、
「広告設定」や「ツール設定」よりも、こちらの方が圧倒的に重要です。
なぜなら、
チームの中で腹落ちしていない施策は、必ず止まるから。
地方の現場では、
- 人手が限られている
- 担当が兼任
- マーケティング専任がいない
という状況が普通です。
だからこそ、
「これは何のためにやっているか」
が共有されていないと、忙しさに負けて消えていきます。
「教える」より「一緒に整理する」
私は、コンサルとして
「こうしてください」
と指示することは、実はあまり多くありません。
代わりにやっているのは、
- 情報を並べる
- 優先順位を一緒に決める
- やらないことを決める
マーケティングは、足し算ではなく引き算です。
地方ECで特に大事なのは、
「全部やらない」勇気。
SNSも、広告も、SEOも、メルマガも。
全部を完璧にやろうとすると、全部が中途半端になります。
国内外の市場を見て感じていること
最近、国内外のECやマーケティング動向を見ていて、強く感じることがあります。
それは、
「大きく売る」より「長く続ける」設計に価値が移っている
ということ。
海外の小規模ブランドや、国内の個人ECを見ていると、
- 大量販売は狙わない
- 誰に届けたいかが明確
- 発信がブレない
- 世界観が一貫している
こうしたブランドが、静かに、でも確実に続いています。
地方事業者さんにとっても、
この考え方はとても相性がいい。
無理に「全国No.1」を目指さなくてもいい。
「この商品は、この人たちに届けばいい」
それを丁寧に設計する方が、結果的に強い。
私自身がマーケティングで大切にしていること
私がウェブマーケティング支援を続けている理由は、
数字を伸ばすこと自体よりも、
「ちゃんと伝わる構造」を一緒に作ること
に面白さを感じているからです。
- 誰が
- 何を
- なぜ
- どんな想いで
これが整理されると、
施策は自然と決まります。
逆に、ここが曖昧なままでは、
どんな最新トレンドを取り入れても苦しくなる。
マーケティングは、
テクニックではなく、編集作業。
私は、
地方の現場にある価値を、
ちゃんと届く形に整える編集者でありたいと思っています。
最後に:派手じゃなくていい
地方ウェブマーケティング支援をしていると、
「もっと目を引くために、派手なことをやらないとダメですか?」
と聞かれることがあります。
私は、いつもこう答えます。
納得できる形でいきましょう。続く形を維持するのがまず大事です。
売上は、積み重ねの結果です。
一発の施策より、
止まらない仕組みの方が、ずっと強い。
このブログも、
SNS投稿も、
EC改善も、
すべては「続くための設計」。
そんな視点で、これからも発信を続けていきます。
